膝折れの原因とリハビリ|大腿四頭筋だけではない
歩行中や立位で膝がガクッと崩れる現象を「膝折れ(Knee buckling)」と呼びます。
新人の頃は
「大腿四頭筋が弱いから」
と考えがちですが、臨床ではそれだけとは限りません。
膝折れは
・大腿四頭筋
・股関節
・体幹
・感覚機能
など複数の要因が関わって起こることが多いです。
そのため膝関節だけを見るのではなく、身体全体を評価することが重要です。
膝折れの主な原因
① 大腿四頭筋弱化
最もよく知られている原因です。
大腿四頭筋は膝を伸ばし、立位や歩行時に膝関節を安定させる役割があります。
筋力が低下すると、体重を支えきれず膝が崩れることがあります。
② 股関節伸展筋弱化
股関節伸展筋(特に大殿筋)が弱いと、立脚期で体幹が前方へ流れます。
すると重心が膝関節の前方へ移動し、膝が屈曲方向へ崩れやすくなります。
その結果、膝折れが起こることがあります。
③ 体幹の不安定性
体幹が不安定だと、歩行中の重心が大きく揺れます。
重心が膝の前方へ移動すると、膝関節は安定を保てず屈曲方向へ崩れやすくなります。
④ 感覚障害
深部感覚が低下している場合、膝の位置を正確に認識できません。
そのため膝関節のコントロールが難しくなり、膝折れにつながることがあります。
脳血管障害の患者ではこの要因も多く見られます。
膝折れの評価ポイント
膝折れを評価するときは、膝関節だけではなく次の点を確認します。
・大腿四頭筋筋力
・股関節伸展筋力
・体幹安定性
・立位バランス
・感覚機能
また次の動作を観察します。
・立位保持
・片脚立位
・歩行
このとき
✔ 膝が急に屈曲する
✔ 体幹が前方へ倒れる
✔ 骨盤が不安定になる
などの動きを確認します。
膝折れに対するトレーニング
原因に応じてトレーニングを選択します。
① 大腿四頭筋トレーニング
例:座位膝伸展
- 椅子に座る
- 膝をゆっくり伸ばす
- 3秒保持
- ゆっくり戻す
10回 × 2〜3セット
完全伸展までしっかり伸ばすことが重要です。
② 股関節伸展筋トレーニング
例:ブリッジ
- 仰向けになる
- 膝を立てる
- お尻を持ち上げる
- 3秒キープ
10回 × 2セット
骨盤が左右に傾かないよう注意します。
③ 立位荷重練習
例:ミニスクワット
- 手すりを持つ
- 膝を軽く曲げる
- ゆっくり戻す
膝が内側へ入らないよう注意します。
④ 重心移動練習
歩行練習の前に行うことが多い訓練です。
- 立位保持
- 左右へゆっくり体重移動
- 膝が崩れないよう確認
荷重コントロールの改善につながります。
まとめ
膝折れは大腿四頭筋弱化だけでなく
・股関節
・体幹
・感覚機能
など複数の要因が関係しています。
理学療法では、膝だけでなく身体全体の運動連鎖を評価し、原因に合わせたトレーニングを行うことが重要です。
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