子どもを育てる上で大きな不安のひとつが「教育費」です。幼稚園から大学卒業までに必要な教育費は、公立でも約1000万円、私立を選べば2000万円以上に膨らむと言われています。この金額を家庭だけで用意するのは簡単ではありません。そのため、多くの家庭が早い段階から計画的に教育費を準備しています。
ここでは2025年時点で利用できる制度や金融商品の特徴を整理しながら、「今できる教育費準備の方法」を紹介します。なお、制度は今後変更される可能性があるため、最新の情報は必ず公式サイトや金融機関で確認してください。
教育費の全体像
- 幼稚園〜高校まで:公立中心なら年間30〜50万円程度、私立なら倍以上
- 大学費用:国公立で4年間約250万円、私立文系で約400万円、理系では600万円以上
つまり、子ども1人あたり「1000万〜2000万円」が目安です。早めに準備を始めることが最大のポイントになります。
ジュニアNISA終了後の教育費準備
かつて教育費準備に有効とされた「ジュニアNISA」は、2023年で新規投資の受付が終了しました。既に口座を持っている場合は、2024年以降も18歳まで非課税で運用できますが、新規利用はできません。
そのため、現在は「新NISA」や「つみたてNISA」「iDeCo」などを組み合わせて教育資金を準備する方法が主流となっています。
新NISAを活用する
2024年から始まった新NISAは、年間投資枠が拡大し、非課税期間が無期限となったのが特徴です。教育費準備にも十分活用できます。
- 成長投資枠:個別株やETFでリターンを狙える
- つみたて投資枠:長期でコツコツ積み立てられる
【ポイント】
子どもの教育費は「必要な時期がある」ため、全額を株式のようなリスク資産に入れるのは危険です。
10年以上先に使う分は投資、5年以内に必要な分は預金で安全に確保、という使い分けが大切です。
iDeCoを使うのはアリ?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は節税メリットが大きい制度ですが、原則60歳まで引き出せません。そのため「教育費準備」には直接使えません。ただし、老後資金をiDeCoで準備し、浮いた分を教育費に回すという考え方は有効です。
学資保険の位置づけ
昔から人気の「学資保険」ですが、低金利の影響でリターンは限定的です。返戻率が100〜105%程度と、投資商品に比べて増やす力は弱いです。ただし「強制的に貯められる安心感」があるため、貯金が苦手な家庭には向いています。
投資信託でコツコツ積み立て
最も現実的な方法は、投資信託の積み立てです。インデックスファンドを毎月一定額積み立てれば、20年で数百万円単位の成長が期待できます。
【シミュレーション例】
- 毎月2万円を年利4%で20年積み立て → 約730万円
- 毎月3万円なら20年で約1100万円
これはあくまでシミュレーションであり、実際の運用成果は変動します。リスクとリターンを理解しながら続けることが重要です。
教育費準備の分散戦略
教育費を準備する際には「1つの商品に依存しない」ことが重要です。
- 預金:短期で必要なお金
- 投資信託:中長期で育てるお金
- 学資保険:貯蓄が苦手な場合の補助
このように分散することで、制度変更や市場変動へのリスクを抑えられます。
制度変更への注意
金融制度や税制は数年単位で変わる可能性があります。実際、NISA制度もたびたび見直されてきました。教育費準備をする際は「最新情報を必ず確認する」習慣を持ちましょう。
まとめ
教育費は人生で最も大きな支出のひとつです。2025年時点ではジュニアNISAの新規利用はできませんが、新NISAや投資信託、学資保険を組み合わせることで十分に準備できます。ポイントは「安全資産とリスク資産を分けること」「制度変更に備えて常に最新情報をチェックすること」です。
完璧を目指さなくても大丈夫。月1万円からでも積み立てれば、20年で数百万円の差が生まれます。小さな一歩を早めに始めることが、子どもの未来を支える大きな力になります。
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