膝痛の原因は股関節?理学療法士が運動連鎖を解説
膝が痛い患者さんを評価するとき、膝だけを見ていませんか?
臨床では、膝痛の原因が股関節にあるケースは非常に多くあります。
これは「運動連鎖」による影響です。
股関節の機能が低下すると、その影響が膝関節へ伝わることがあります。
股関節と膝の関係
股関節は体重支持や歩行の安定に重要な関節です。
特に重要なのが
・中殿筋
・股関節外旋筋群
です。
これらの筋が弱くなると
股関節内旋
↓
大腿骨内旋
↓
膝外反
↓
膝関節ストレス
という運動連鎖が起こります。
中殿筋弱化と骨盤の動き
中殿筋の役割は、片脚支持時に骨盤を安定させることです。
例えば 右脚で立っている場合(右脚立ち) を考えます。
正常では
右中殿筋が収縮
↓
左骨盤を持ち上げる
↓
骨盤の高さを保つ
という働きをします。
しかし中殿筋が弱い場合
右脚立ち
↓
右中殿筋が働かない
↓
左骨盤が落ちる(骨盤下制)
この現象を Trendelenburg徴候 と呼びます。
体幹による代償(Duchenne徴候)
骨盤が落ちると、身体はバランスを取ろうとします。
その結果
体幹を立脚側へ傾ける
↓
股関節に近づく
↓
外転モーメントを減らす
という代償が起こります。
これを Duchenne徴候 といいます。
この連鎖が膝に与える影響
骨盤下制が起こると
骨盤下制
↓
大腿骨内旋
↓
膝外反
↓
膝関節ストレス
という連鎖が起こり、膝痛につながることがあります。
臨床での評価ポイント
膝痛患者では次の動作を観察します。
・片脚立位
・歩行
・スクワット
このとき
✔ 骨盤が落ちる
✔ 膝が内側へ入る
✔ 体幹が側屈する
これらがあれば股関節の関与を疑います。
臨床でのアプローチ
股関節外転筋の強化が重要になります。
例
・クラムシェル
・ヒップアブダクション
・サイドステップ
また体幹の安定性トレーニングも併用すると効果的です。
まとめ
膝痛の原因は膝だけとは限りません。
股関節と体幹を含めた運動連鎖を評価することが重要です。
「痛い場所」ではなく
「原因となる動き」を見ることが理学療法では大切です。
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